医療法人 慈桜会 瀬戸病院

瀬戸病院ブログ

各クラスの様子や栄養科から季節のレシピなどをお伝えいたします。
2022.6.14 病棟より

妊婦さんへ 病棟助産師よりメッセージ19

梅雨の季節となりました。

みなさん梅雨はどういったイメージですか?

 

 

 

 

ジメジメしていて洗濯物も乾かず、嫌な季節なんて思われる方も多いのではないでしょうか。

かくいう私も雨の日が続くと気持ちが暗くなったり嫌だなと思うことも多いです。

ですが、仕事中ふとシトシトと降る雨に打たれる庭を見ると風情があっていいものだなと思ったりもします。また見方を変えると梅雨は楽しみな夏がやってくる前の季節で、梅雨があるからこそ夏を迎えた喜びが一層高まるのではないでしょうか。

 

そんなことを考えていると、お産も梅雨と似たところがあるなと思い、今日はお産について話をしていきたいと思います。

 

 

私はよく母親学級を行うとき「みなさんお産はどういったイメージですか?」と問いかけています。

 

するとみなさん赤ちゃんと対面できる嬉しさなどポジティブな答えを言う一方で、“痛い”“辛い”“こわい”といった不安の声も多く聞かれます。

 

 

 

初めての出産でも何度目かの出産でも不安があることは当然ですが、お産というのは、ただただ辛いだけというわけではなく、実は赤ちゃんも一緒に頑張っていることを知っておいてほしいのです。

 

お産は赤ちゃんと胎盤や羊水を母体から娩出することを言います。

赤ちゃんが生まれるためには外に押し出す力である陣痛が必要になります。陣痛がくると子宮が収縮して赤ちゃんは生まれるために狭い産道を進んでいかなければなりません。お産は赤ちゃんにとっても未知の世界であり、このように大変な思いをしているわけですが、それでも赤ちゃんたちはママやパパに“会いたい”と一生懸命進んできてくれます。

 

陣痛発来の機序についてははっきりとしていない部分もありますが、赤ちゃんが自ら陣痛を起こすきっかけを作っていると言われています。赤ちゃんたちは準備が整うとママやパパに会うため決心をして大変な道のりを進んできてくれているんですね。

 

私も日々お産に入らせていただく中でお誕生日は赤ちゃんが決めてきているのかも?と感じることが多くあります。

「お産は赤ちゃんと一緒に乗り越えていくんだ!」と考えるとお産に対する感じ方も変わるんじゃないでしょうか。

もしお産中辛くなったら、赤ちゃんに意識を向けてみてください。きっと赤ちゃんからたくさんのメッセージを受け取ることができるのではないでしょうか。

 

普段産婦さんと話をしていると、「今赤ちゃんがぐっと降りてきた感じがする!」とか赤ちゃんはお産中骨盤の形に合わせて回旋して生まれてくるのですが、「今赤ちゃんが回った感じがした!」などと言われることがあります。このような産婦さんの言葉から、赤ちゃんを感じながら二人でお産を乗り越えているんだなと私も感じています。

 

 

お産は自然分娩だけでなく無痛分娩や帝王切開などさまざまな形がありますが、どのお産も大変であること、そしてママと赤ちゃん二人で乗り越えていくことに変わりありません。

私たち助産師はママと赤ちゃん二人をしっかりサポートさせていただきますが、お産の主役はママと赤ちゃんです。

ぜひ赤ちゃんを感じながら、そして大変な思いをしている赤ちゃんに声をかけながら二人で乗り越えていってほしいなと思います。

 

 

 

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