婦人科

婦人科概要

当院の婦人科では一般的な婦人科疾患の治療から乳腺疾患や更年期の治療まで、幅広く診療を行っています。婦人科手術に当たっては腹腔鏡手術を始めとする、入院期間も短く体の負担も少ない低侵襲手術に力を入れています。また、子宮がん・乳がんの検診及び感染症や各がん検診を盛り込んだ女性ドックも行っています。

診療時間案内

受付時間
8:30~11:30 ×
13:30~16:30 ×

【診療時間】9:00~12:00、14:00~17:00
産婦人科は予約制となります。事前にお電話またはWEBで診察の予約をお取りください。
ご予約の際はお電話の繋がりにくい時間帯もございますので、WEBからのご予約をお勧めしております。
医師希望のある方は「今月の外来医師担当表」をご確認の上、ご予約をお取りください。

婦人科受診のご予約・お問い合わせ

初診の方は問診表をダウンロードして、ご記入の上、受付時に提出していただくと、スムーズに診療が行えますのでぜひご利用ください。

問診票ダウンロード(PDF)

一般婦人科診療

婦人科では思春期から老年期までの女性の一生に寄り添い、その健康をサポートしていきます。当院の婦人科は予約制となりますので事前にご予約の上ご来院ください。

月経(生理)のトラブル

月経(生理)に関するトラブルは多岐に渡ります。月経期間中の下腹部の痛みや頭痛、腰痛、倦怠感などの諸症状が認められ、日常生活に支障をきたす状態を「月経困難症」、生理周期が乱れる「月経不順」、月経期間外に子宮からの出血が認められる「不正出血」、生理開始の前から現れるさまざまな不快な症状を「PMS(月経前症候群)」といいます。
これら月経前後の体の不調は、生活の質を下げるだけでなく、子宮筋腫や子宮内膜症などの治療の必要な病気が潜んでいる可能性もあります。気になる症状がある場合は早めに婦人科を受診ください。

子宮・卵巣の病気

子宮の病気には「子宮筋腫」「子宮内膜症」「子宮頸管ポリープ」「子宮腺筋症」「子宮頸がん」「子宮体がん」などが、卵巣の病気には「卵巣嚢腫」「多嚢胞性卵巣」「卵巣出血」「卵巣がん」などが挙げられます。
症状の種類や重症度、年齢や妊娠希望の有無などを総合的に判断し、薬物療法および手術療法から最適な治療法を選択していきます。

性感染症

おりものの異常(量が増加した、色がいつもと違う、においが気になる)がある、性器に痒みや痛みがある、膀胱炎や排尿時の違和感や痛みがある、不正出血がある、といった症状に該当する場合、性感染症が疑われます。また、無症状でも感染している場合もあります。治療が遅れることで不妊の原因になってしまうケースもありますので、感染の可能性がある場合には早めの受診を心がけでください。飲み薬や軟膏、注射、膣に入れる錠剤などの薬物療法にて治療していきます。

更年期障害

閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。
更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが、その上に加齢などの身体的因子を始めとして、心理的因子、社会的因子などが複合的に関与することで発症すると考えられています。
ほてりやのぼせ、ホットフラッシュ、めまい、頭痛、気分の落ち込み、イライラなど、その症状は多彩です。患者さまとよく話し合いながら、ホルモン補充療法や漢方薬など、それぞれに合った最適な治療法を選択していきます。

避妊相談

望まない妊娠や不妊の原因となる性感染症を避けるために、正しい避妊の知識を身に付けておくことが大切です。避妊についてご相談があるという方は、一度ご来院ください。
当院では、低用量ピル(OC)の処方や避妊リング(ミレーナ)の装着など、その方にあった避妊法をご提案しています。
また、避妊に失敗した、または避妊せずに行った性交後72時間以内に緊急的に用いる緊急避妊ピル(アフターピル)も処方しています。

子宮脱

子宮脱は、骨盤の中にある子宮を支える筋肉が緩んでしまい、子宮の一部または全部が腟から脱出してしまう病気です。
治療にはペッサリーリングによる保存的治療と手術療法がありますが、前者は腟炎やおりものの増加、出血などの症状が起こることがあり定期的な管理が必要です。子宮脱を根本的に治療するためには、手術療法が必要となります。
当院では保険診療で腹腔鏡下での子宮脱に対する手術を実施しています。子宮筋腫や卵巣のう腫などの疾患があっても対応ができ、開脚制限などの理由で腟からの手術ができない方にも対応が可能となります。腹部数カ所の小さな創から手術を行うため、体への負担は小さく、痛みも軽微ですみます。その他の膣式子宮全摘術、中央膣閉鎖術などの術式も対応が可能です。
患者さん個々の状況によって適切な術式は異なりますので、患者さんと担当医で相談しながら適切と思われる治療方法を選択していくことになります。

婦人科手術

当院の手術について

当院の婦人科では子宮筋腫・子宮腺筋症・卵巣のう腫・子宮脱・子宮頸部がんなどの手術を行っています。
子宮腺筋症では、部位のみ切除して子宮を残すことでその後の妊娠も可能となる子宮腺筋症核出術も施行しています。
手術に関しては患者さまそれぞれの事情を考慮し、方針について医師とよく話し合った上で決定していただきます。

また、当院は下記の点を重視し診療・手術にあたっています。

  1. ご本人、ご家族に充分理解していただきけるように医師、看護師が丁寧に説明します。
  2. 肉体的負担を軽減できるよう、痛みの少ない手術を心がけています。
  3. 精神的負担を軽減できるよう、傷口の小さい手術を心がけています。
  4. 入院期間の短い腹腔鏡手術に力を入れています。

腹腔鏡手術について

おなかを小さく切開し(10mm程度)、そこからカメラを挿入して映し出された画像を見ながら、下腹部に数か所あけた穴(5mm程度)から専用の手術器具を用いて手術を行う手術方法です。開腹術と比較して侵襲が少ないため、術後の痛みが少なくすみます。傷口が小さく、術後の回復も早いため数日間で退院が可能となります。当院でも積極的に腹腔鏡下手術を取り入れています。

腹腔鏡下子宮全摘術

腹腔鏡下に子宮全体を摘出する術式です。子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症などで子宮摘出が必要になったときに行います。病気の症状は根本的に改善され、再発の心配はなくなります。また、卵巣を温存することで女性ホルモンの分泌には影響がないといわれています。腹腔鏡を利用して行う子宮全摘術には、以下に挙げる全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)と腹腔鏡補助下腟式子宮全摘術(LAVH)の 2つの方法があります。

全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)
切断から縫合まですべて腹腔鏡下で行い、切除した子宮は腟の切開部から摘出します。     

腹腔鏡補助下腟式子宮全摘術(LAVH)
腹腔鏡下で子宮上部のじん帯の切断などを行い、子宮下部の付属器やじん帯の切断、子宮摘出、腟縫合は腟から行います。     

TLHは全ての手技を腹腔鏡下に行うため難易度が高く、より高度なテクニックを必要とします。
当院では豊富な経験と実績を持った医師が担当致します。また、他院で開腹手術と言われるような大きさの子宮筋腫でも、可能な限り腹腔鏡手術で行っています。手術を検討しており腹腔鏡手術で行いたいという方はぜひ一度ご相談下さい。

婦人科の入院について

入院保証金

手術内容により、30,000円、50,000円、150,000円となります。
入院のお手続きは2階病棟窓口でお願いいたします。その際に保証金のお支払いと手術承諾書をお預かりします。健康保険法・生活保護法・老人医療法などでご入院の方は、手続きの際必ず保険証または医療券などをご提出ください。

入院時の持ち物

手術承諾書・輸血同意書・入院診療計画書(これらは手術前の最後の外来でお渡しします。必要事項をすべて記入してお持ちください)
保証金(術式により料金が異なります)
保険証、診察券、各種医療券、印鑑(シャチハタ不可)、常備薬(腹腔鏡手術の方は事前にお渡ししているお薬の残薬もお持ちください)、パジャマ(術式によっては前開き等の指定があります。個別面談の際に指示された形態でご用意ください)、下着類、昼用ナプキン、スリッパ、フェイスタオル2~3枚、洗面用具、パンフレット「手術を受けられる方へ」・「入院から退院までの流れ」

病院に用意されている備品・消耗品

ティッシュペーパー、湯のみ、お茶パック、電気ポット、浄水器、箸、TV、冷蔵庫、セイフティボックス、シャンプー・リンス・ボディソープ、バスタオル、ドライヤー、手術着、圧迫ストッキング、ガウン(個室はお部屋にご用意あり。大部屋利用でご希望の方はレンタル可)

その他注意事項
  • 5階に無料の洗濯機、乾燥機がございます。洗剤・柔軟剤のセットを100円で販売しています。
  • 入院時は、まつ毛エクステ・ネイル・アクセサリーはすべて外しておいてください。
  • コンタクトレンズ装着中の方は入院中は眼鏡に切り替えて下さい。
  • 入れ歯・歯の矯正器具等は手術当日は外す必要があります。
  • 大部屋ご利用の方でTV視聴される場合は視聴料220円/1日がかかります。
  • 退院時のご精算は現金、クレジットカード(VISA/Master)がご利用頂けます。

流産・中絶処置

流産手術

妊娠の早い時期に赤ちゃんが亡くなってしまうことを流産と言います。妊娠12週までを早期流産、12~22週未満を後期流産といいます。自然流産の確率は、医療機関で確認された妊娠の10~15%との報告があり、決して低くはない頻度で起こります。早期に起こった流産の原因で最も多いのが赤ちゃん自体の染色体等の異常です。偶発的に発生する胎児の染色体異常は、どの妊娠においても発生する可能性があり、予防や治療方法はありません。この場合、お母さんの妊娠初期の仕事や運動などが原因ということもほとんどありません。
残念ながら流産と診断された場合には子宮内感染症を予防し、次の妊娠に備えるためにも必要に応じて子宮内容除去術という処置を行います。当院ではMVAシステムという手動真空吸引法を使用して手術を行います(対象:妊娠12週未満)。日本で主として行われてきた掻爬術よりも、手術時間が短時間となり出血量も少なくすみます。衛生面でもメリットがあり、患者さまの痛みが少ないという報告もあります。WHOにおいて推奨されている術式です。

人工妊娠中絶

予期せぬ妊娠や、身体的・社会的なさまざまな事情により妊娠を断念せざるを得ない方に、母体保護法に則り人工妊娠中絶の処置を行っています。人工妊娠中絶手術が受けられるのは妊娠22週未満までですが、妊娠初期(12週未満)と、それ以降とでは手術方法が大きく異なります。
妊娠初期の人工妊娠中絶に対し、当院では、MVAシステムという手動真空吸引法を用いた人工妊娠中絶術(対象:妊娠12週未満)と、メフィーゴパックという経口中絶薬(対象:妊娠9週0日まで)を用いた方法から選択いただくことが可能です。処置・治療にはそれぞれに作用と副作用があり、安全性や危険性が異なります。それぞれの長所・短所を充分に説明し、ご理解いただいた上で、母体保護法に則って処置を行います。
予期せぬ妊娠でお悩みの方は、お一人で抱え込まずに、どうぞお早めにご相談ください。

子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がんは子宮頸部という子宮の入り口にできるがんです。年間約1万人が罹患し、約2,800人が死亡しており(2020年時点)、患者数・死亡者数とも漸増傾向にあります。近年、若い世代での罹患者数が増加しており30歳代で子宮頸がんになる人も増えています。子宮頸がんになると治療が必要となり、妊娠にも影響があります。
子宮頸がんワクチンで、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)の感染を予防することができます。ワクチンは若い人ほど効果が高く、特に初めての性行為の前までに受けることで予防効果が高まります。
当院ではサーバリックス(2価)、ガーダシル︎(4価ワクチン)、シルガード︎(9価ワクチン)の公費接種に対応しています。子宮頸がん予防ワクチンはWEB予約に対応していません。お電話にてご予約ください。

婦人科検診

婦人科では子宮がん・乳がん・卵巣がんなどの検診及び感染症や各がん検診を盛り込んだ女性ドックなどを行っています。病気の中には自覚症状がほとんどないものもありますので、必ず定期的に検診を受けるようにしましょう。

婦人科検診